夕食は東館の
ラ・ブリーズへ。良い評判をよく聞くので楽しみ。2Fのエントランスから見えるレストランは吹き抜けの美しい空間。モダンな雰囲気と天井の高さ、満席のざわめきなどがニューヨークグリルに少し似ているかも。ラブリーズのほうがやや明るめで健康的な感じ。宿泊している部屋もそうだが、天井が高いと良いと実感。客層はやや年齢が高めに感じた。ピアノの生演奏と、心地よいざわめき、適度な席の間隔が快適な空間であった。
サービスに関しては、とても一生懸命で悪気は無いのだろうが、細かいところがいまいち。フォークを置く際、すでにあるバターナイフを、置こうとしているフォークでずらしたり、予約時に詳細に伝えておいたはずの彼女の苦手な食材を何度もしつこく確認しに来たり、やや急いでいるためにスタッフの足音やカトラリーのぶつかる音が良く聞こえる等である。挙げていくとまだまだ細かく気になる点があったが、詳細に書いても仕方が無いのでこのくらいで。呼びたいときにすぐつかまらないなど、全体的にスタッフにゆとりが無いことがとても気になったので、もう少し人員を増やすとよいと思う。ただ、救いだったのは一生懸命やっているのは伝わってくるという点。あと一歩丁寧にできるゆとりと技術を身につけてほしいと感じた。たまたまわれわれのテーブルに付いた担当が新米で運が悪かったのかもしれない。
料理は月替わりのコースのみ。鴨のロースト、鱒のマリネ、トリュフと牛蒡のスープ、スズキのクラストわさびソースと岩のりのリゾット、口直し、子牛とフォアグラのソテー、デザート、ミルクティーとお茶うけ、といただいた。どれもおいしいのだが、特筆するほどおいしいというわけではなかった。散々期待してしまっていたのがいけないのかもしれない。野菜がウリだったようでそこそこおいしかったのだが、個人的には野菜なら
ル・ゴロワや
アロッサのほうがおいしいと感じた。またホテルダイニングで言えば、味・サービスともに例えば
ホテル西洋銀座の
レペトワ等、もっと良いところはいくらでもある気がする。グラスワインも選択肢は赤・白一種類しかなかったし。そもそもリゾートなので方向性が違うといえばそれまでだが、もう少しがんばってほしいところ。一番良かったと思うのは、スズキとリゾット。岩のりの風味とリゾットのチーズ、肉厚のスズキの相性がよく、これはなかなかおいしかった。
とはいえダメというわけでは決してなく、「あと一息ですごく良くなりそう」という感じだったので、次回に期待したい。今回は料理長が変わったばっかりということもあるだろうし、今月のメニューはジャパニーズコンチネンタルというやや不明なジャンルだったので(それでも多少和を取り入れた創作フレンチという感じできちんとはしていた)、再度、正統派フレンチの月に訪れてみたい。