2005/04/15 Fri 海石榴 湯河原

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今日は誕生日祝いで彼女が温泉に招待してくれた。行き先は湯河原にある僕の大好きな海石榴。こちらの旅館、とても洗練されていて満足度の最も高い旅館である。まず、到着するとすぐに出迎えがあり、それほど広い駐車場でないにもかかわらずバレーパーキングを行っていただけた。そして待つことなくフロントそばのロビーにて抹茶と京菓子をいただく。
その後案内していただいたお部屋は1階の少し広めの長楽というお部屋。15畳+6畳、洗面・お風呂はあわせて8畳程度の広さと十分なスペースがある。縁側にテーブルと椅子があるので池を眺めながらくつろぐことができ、大変良い。庭の池にはきれいな鯉が泳ぎ、庭にある満開の八重桜の桜吹雪が時折舞っている。日本に四季があることに心から感謝したくなる瞬間である。
その後、海石榴から海石榴敷地内の食事処太郎庵まで散歩。途中には桜、椿などの花が咲き、岩に生える苔までも手入れされているかのごとくとても美しい庭であった。また、遠くに見える山にも桜がところどころ美しくすばらしい。ただ、川がコンクリで固められていたり、無粋な鉄の手すりなどが少し残念。
食事前にお風呂へ。大浴場はとてもきれいで泉質もすばらしく、満足のいく内容であった。また、女性向けのお風呂には個室のパウダールームがあるとのことで彼女はゆったりと楽しんできたようだ。お風呂あがりには眺めの良いラウンジにてお茶とゆずゼリーをサービスしていただく。お風呂でほてった体にしみわたるおいしさである。こちらは、ビールをいただくこともできる。
そしてお部屋へ戻って夕食。これが楽しみで仕方がない。ここの料理は料亭旅館というだけのことはある、すばらしい京風懐石である。本日のメニューも器、料理ともに存分に春を楽しむことのできる内容で、またしても「日本人でよかったぁ」と心から実感。メニューは写真のとおりだが、特にすばらしかったものをいくつかご紹介。まずは、甘鯛のお椀。薄味ながら深い出汁の味わいがたまらない。鯛と出汁の相性も抜群でとても楽しめた。春日小鯛若竹蒸しが感動もの。初めていただいたのだが、メレンゲに練りこんである木の芽や山椒の香りがすばらしく、他の魚よりも単調に感じがちな鯛の味がとても引き立てられて、今まで僕が感じていた鯛という魚に対する不満を笑い飛ばすかのような衝撃であった。我がことながら無知というのは恐ろしい。次はしどけ胡麻和え。胡麻だれの味わいがとても深く、胡麻の香ばしさがしどけの良い味を余すところなく引き出していた。合鴨つみれの温物はやはり出汁がすばらしかった。こちらもとても上品な味付けの中に生姜とうどの香りが効いていて、鴨とのバランスの良さが感動的。たけのこ御飯も上品な味付けだが、たけのこのおいしさが十分に味わえるすばらしいもの。そして最後の極めつけは葛桜。こしあんを葛の皮で包み、その周りを塩漬けの桜の葉で包んだもの。これのこしあんがたまらない。丁寧にこしてあり、葛とあわせての舌触りが絶品。もちろん小豆もおいしいものを使っており甘すぎない味付けとともに感動してしまった。和菓子好きの僕には本当にたまらない逸品でありました。(と敬語になってしまうくらい良かった。)そのもちろんその他も全体的にすばらしかった。唯一残念な点(といってもおいしかったが)を挙げるとすればお造りで、イカや平目は悪くもないのだがそれほどでもなかった。しかし、ごぼうの煮付け、きす干物、里芋の焚合せ、出汁の良く効いたパンチのある赤だしなど、当たり前の料理でも味わいが深く、素材の味も含めてとてもすばらしい出来なのには恐れ入る。板場にも心付けを渡したくなる料理である。
※余談だが、僕は桜で包まないものを水まんじゅうと呼んでいたので、旅館でも葛桜のことを水まんじゅうと呼んでいたのだが、どうやら岐阜県大垣の名物で一般名称ではないらしい(リンク参照)。またしても無知でちと恥ずかしい。
サービスは全てにおいてすばらしく、さりげなく適切な気遣いにあふれている。前述のとおりすごく丁寧なのだが、こちらが気を使ったことは一回もなかった。よほどの気遣いがないとここまで落ち着けないものだ。サービスは一流だが、その中でのくつろぎはまるで自宅にいるようである。
あえてこの旅館の難点を挙げるとすると、建物について、若干古い建物なのか無粋な部分が多少はある。たとえば窓枠が普通のアルミサッシだったり、部屋の入り口のドアがやや古い金属製だったりという具合。ここら辺はあさばや強羅花壇のほうが洗練されている。だが、そんなものは些細な誤差といえるだけの圧倒的なサービス、おいしい料理、良い周囲の環境がある。また、建物は若干古いが、清掃が十分に行き届いた清潔な空間はとても満足のいく内容である。

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このページは、yusuke4002005年4月15日 15:48に書いたブログ記事です。

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