前菜の白魚のフリットはきれいに上がっていてまずまず。だが、白魚が好きでない彼女の食べていた鮟鱇のフリットの方がぷりぷりしていておいしく感じた。
ヒラメのカルパッチョが絶品。ヒラメはしめたばかりの新鮮なものではなくきちんと寝かせたもので、歯ごたえもやわらかく風味も濃厚。味付けも良質のオイルをベースにしてゴマとバジルの香りというシンプルなもの。普通のカルパッチョとは一味違う、すばらしいものをいただくことが出来た。さすが。パスタはカラスミのパスタ。小田原で取れたというおいしいしいたけとの相性も良く、なかなかおいしいのだが、どうもヒロのパスタは塩味が濃すぎる気がする。メインのサワラのグリルはおいしかった。肉厚でジューシーなサワラをシンプルな塩味に上品なソースで仕上げてあり、パリパリの皮もおいしくいただけた。また、食事にあわせてちょうど良いタイミングでパンが運ばれ、フォッカッチャも全粒粉のパンも焼きたてでおいしかった。ただ、デザートは青山店には大きく劣っている。青山店のデザートは本当においしく驚くことが多いのだが、こちらのフルーツとジュレにバニラアイスは普通のものであった。ただ、今思うとフルーツとリキュール・バニラビーンズの入ったジュレの相性も良かったし、自家製のバニラアイスもまずまずだったかもしれない。もしかしたら青山店がおいしいので、期待のしすぎか。
サービスはフロアに1.5名しか人がいないのに、きちんと行き届いていた。料理の提供の間合いもよく、ミネラルウォーターが切れることもなかった。また、僕の彼女は野菜や魚介類に食べられないものが多いのだが、そちらもきちんとヒアリングした上で丁寧に対応してくれ、とても良かった。
内装は白を基調にした清潔でさわやかな海辺らしいもので、「素朴でおいしいお店」という印象。窓も南東の2面が大きく取ってあり、見える景色は普通の漁港なのだが、太陽の心地よい明かりがカーテン越しに差し込んでいた。席数は少ないが、心地の良い程度の活気があり、良い雰囲気。
この場所で、このクオリティはなかなか貴重。新鮮な魚介と野菜の料理というコンセプトも僕の好みとマッチする。次回からも伊豆や箱根へ出かける際は、早めに予約を取らなくては。
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